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令和4年度の総括と令和5年度へ向けて

組合員、ご家族の皆さま、早いもので期末を迎え各事業精算しているところです。例年より天候の乱れる日が少なかった冬が終わり、すでに4月に入り周辺の雪もほぼなくなり、春に向けて進んでいる気がします。
課題も一緒に消えてくれれば良いですが、コロナの影響も発生以来4年目となりました。経済事業、行動制限があり、農協それぞれ組合員段階でもブレーキがかかり、この積み重ねが乳製品の在庫として現在大きな負担となり、この一年間生産調整を2度3度に渡りお願いすることとなりました。過去の平成18年~19年以来であります。あの時も私は根室地区酪対代表として現場で蛇口を締めることは最後にしようと全道の委員とも協力を願ったことが脳裏に浮かびます。今回はまさかであります。世界中同時に苦労が始まりました。ようやく感染者、死亡者が減り、世界中で注意しながらの経済活動、行動もコロナ以前へ向けて動き出したのを強く感じます。今後さらに各国より外国人、特に中国本土より来日することになれば牛乳、乳製品等が解消する日もそう遠くないと信じております。生産者の皆さまには改めて生産枠を守っていただきますようお願い申し上げます。
さて令和4年の天候は春作業より順調に進みましたが、6月頃より低温、曇天、降雨など安定した日照が続かなく、一番草収穫作業に苦労しました。生産者の中には7月に入る方もおり、エサ的には心配の残る回収であり、デントコーンの生育、畑作物の肥培管理も気をつかったところでした。その後も秋に向けて雨空が多く次第に作物にも影響があり、地区別懇談会、広報誌等において報告した通り不作年で、前年より量、金額で減となりました。ひとつ、大根、ブロッコリーは収量的には平年作以下でしたが収穫開始より高値安定で、終了まで維持し販売金額が過去比較しても良かったと救われたところです。
酪農生産においては、生乳は個人枠抑制の中での生産となりましたが、乳質乳価では一年を通して過去最大2,200万円を超える素晴らしい成果となり、日々、乳質に関心高く取り組んでいただくことに心より感謝申し上げます。この成果は将来に向けて高い評価をいただけるものと確信しており、今後もどんな状況であれ最優先としていただきたく願っております。残念だったのは夏以降、生産できないことによる乳牛、初生トク、廃用牛等の個体販売価格も下落し、経営に大きなマイナスとなり、回復しないことでありました。
12月のクミカン精算時には多くの組合員がセーフティネット資金を利用し、対応することとなり過去にない精算となりました。
一方で、国、道、町等に飼料、資材の高騰、個体価格暴落における各対策を求め、年末と年明け2月に支援いただきました。また今後に向けても全道集会等で、ウクライナへのロシア侵攻によるエネルギー、飼料、肥料のコスト高、円安による負担増大への支援を強く求めており、対策を願っております。資源のない日本は、このことをふまえて真剣にエネルギー、食料の在り方を考えるときと思っており、国もいま、食料安保的な発想で論議をはじめております。国内生産を守るか問われており、期待しております。いずれにしても北海道が国民の胃袋を支える当たり前のことをしっかり政策で定めてもらう時であります。昔からの継ぎ接ぎの政策ではなく、長期にわたり生産現場で自給確保する方向を農業組織と共に進めることであります。
次に農協事業に入ります。経済事業のあるる、スタンドでは影響を受けながらニーズにしっかり対応し、計画以上の成果を作りました。牛乳、乳製品コーナーやぷちあるるにおいて多くの企画を実施し販売を増やし、お客様の支持をいただきました。
スタンドでは洗車機の入れ替え、広告掲示板の設置、油外商品、特にタイヤ、オイルの販売に力を入れ、8年連続で北海道№1の成果となっております。
乳製品工場は一部床の改修を終え、今まで以上に製造能力を上げ、出口対策に先駆けで頑張ってまいります。
信用事業では貯金額300億円を超え、305億円となり、共済も目標以上の成果を確保しました。資材課は組合員の資材をはじめ、取扱高は過去最高となり、きめ細かい対応をして参りました。
子会社㈱RARA Farm中標津では酪農センターが前年より約100t減の生産となりましたが、畜産センターは670頭販売(前年度560頭)1頭当たり約746千円と計画以上となり、肥育技術も確実に向上し評価をいただいております。詳しくは総会資料にも載せております。
これらの一連の事業により当期未処分剰余金約18,470万円となり、任意積立金として農協新事務所建設積立5,000万円を積み立て、出資配当金約1,950万円とし、事業分量配当金約6,920万円とする判断をいたしました。詳しくは今後の地区別懇談会、総会にて説明させていただきます。色々なことがありましたが、職員の頑張りと役員の協力の成果であり、令和5年度も共に方向をしっかり定めて協力、努力することにより所期の目的を成せると信じております。
一年かけて策定審議をしてきた第9次地域農業振興計画が表題「叡智」、メインテーマ「深遠な道理と知恵をもって未来へ向かって」の答申書を4月13日に委員長、副委員長よりいただきました。委員26名による策定委員会が数度開催され、まとめられた内容に農協経営の数字を入れ、農協の目指す羅針盤としてまいりたく、委員の皆さまに深く感謝申し上げ、報告とさせていただきます。

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